【イベントレポート】新しい時代のはじまりIBM WatsonSummit2016に行ってきました!

IBM WatsonSummit2016に行ってきました!

こんにちは。かんたです。昨日(2016年5月25日)、IBM主催のWatsonSumitte2016に行ってまいりました。


※イベントポータルサイトで共有されている動画です。
(参考:http://ibmevent.jp/watsonsummit2016/)

恥ずかしくも、

  • AIってどのように今後のビジネスに効いてくるの?
  • IBMのWatsonってどんなものなの?
  • コグニティブの時代って何?

という状態でしたので、イベント自体とても良い経験になりました。

せっかく、参加してきたので簡単にブログ形式でまとめます。

どんなイベントだったの?

IBMのWatson※という言語処理や機械学習を簡単に使えるようなプラットフォームを
実際の事例や、今後のあり方など中心にセミナー形式(セッション)と展示会形式で紹介する大規模なイベントでした。

”IBM Watson は、自然言語処理と機械学習を使用して、大量の非構造化データから洞察を明らかにするテクノロジー・プラットフォームです。”
http://www.ibm.com/smarterplanet/jp/ja/ibmwatson/what-is-watson.html

IBMは、Watson を 人工知能(AI)と呼ばずに、「コグニティブ・コンピューティング」と呼んでいます。

”Cognitive”とは”認知の”という意味だそうです。

2日間(パートナーシップを結ぶ会社向けのイベントを含めると3日間)に分けて行われるイベントのうち、一般向けの1日目となる25日に参加してきました。

かなりたくさんのセッションと展示会があったのでほんの一部しか見ることが出来ませんでしたが、非常に有意義な時間でした。

当日の概要が写真で伝わればと思います。

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セッションの紹介!

私が見てきたセッションは下記の3つです。

  • セッションその①:Watsonで何ができるの?~Watson APIの解説とデモンストレーション~(日本IBM株式会社:瀬川様)
  • セッションその②:IoTとWatsonが変えるモバイルの未来(株式会社Jena:手塚様)http://www.jena.ne.jp/
  • セッションその③:ロボット時代の創造~ソーシャルロボットとWatsonが融合する瞬間~(ロボットクリエーター:高橋様)

こちらを3つともブログに書こうと思いましたが、①だけ書くのに時間かかったので、
②、③は会ったときなどに声かけ下さい。特に③登壇者のロボットクリエーター高橋様の話が非常に面白く、今後のロボットとAIの関係や、スマートフォンのあり方などを知れるいいセッションでした。
5/26発売のSHARPから出る「ロボフォン」の共同開発者でもあるそうです。

それまで「ロボフォン」を正直舐めていましたが、当日会場でロボットが自分で立ち上がり、話す姿を見て会場の多くの人が、スマートフォンの次の形を想起したと思います。
値段も高く、動きもぎこちなく、スマートフォンのスペックも低いですがとてもほしくなるプレゼンテーションでした。

▼アスキー様がインタビューしていた動画があったので下記にご紹介します。

それでは中心のセッションを下記でご紹介します。

Watsonで何ができるの?~Watson APIの解説とデモンストレーション~(日本IBM株式会社:瀬川様)

今回のイベントで一番聞きたかったセッションがこちらです。実は当日、一番最後に聞いたセッションですが、記事の説明的に一番前に持ってくるのが良いと考え、一番先にまとめさせてもらいました。

こちらのセッションを経て、「コグニティブ・コンピューティングって何?」「Watsonて何ができるの?」と聞かれて少し話せるくらいにはなったかなと思います。

コグニティブ・コンピューティングって何?

“コグニティブ”と打つと普通に変換されないくらい、なじみの無い言葉ですが、

Cognitiveは直訳すると「認知、認識の(できる)」と言う意味となります。
「経験的知識に基づく」というような意味あいで、経験を通して学習し、相関関係などを見つけて仮説を立て、
記憶し、結果のフィードバックを元にさらに学習していくというような人間の脳のように考えるシステムのことです。
(と、私がコグニティブしました。)

当日、簡単に説明していただいたのが
「①理解」、「②推論」、「③学習」の3要素を満たすシステムのことをさしているようです。

例えば、IBMWatsonは2011年に米国の人気クイズ番組「Jeopardy!」に挑戦し、2ゲームを通じて最高金額を獲得しました。

このクイズを例にすると、3要素とは、
①クイズの問題を解釈し、
②テキストで書かれた物から答えを探し出し、
③学習の仕組みを組み合わせ、更に精度を高めること。
となります。これを通し、機械でも人間と同等以上の思考を可能にすることです。

Watsonって何ができるの?

さて、そんなWatsonですが、実は現在誰でも30日間無料で利用することが出来ます。
現在(2016年5月25時点)、英語版は28個の機能、日本版は8個の機能を利用することが出来ます。

イベントでは日本語版の8個の機能について細かく説明してくれました。
聞いた話をそのままに簡単にまとめていきます。

  •  1.自然言語分類 | Natural Language Classifier
  •  2.対話 | Dialog
  •  3.検索およびランク付け | Retrieve and Rank
  •  4.文書変換 | Document Conversion
  •  5.音声認識 | Speech to Text
  •  6.音声合成 | Text to Speech
  •  7.個人診断|Personality Insight
  •  8.画像認識|Visual Recognition

1.自然言語分類 | Natural Language Classifier

テキスト情報を入力した際に、それが何を意味しているか判断するためのプログラムです。

「何かいい商品は無い?」という文章から「何かを探している。」という事をコンピュータが認識するためのツールとなります。
仕組みとしては「何かいい商品は無い?」=「Lookfor」と言うように、テキストを分類(クラスに分ける)しそれを一つのクラスに対し、
最低10個記録しておくことで、同様の問いかけがあった際にコンピュータが質問内容を自動で判断出来るようにします。

例えば、
・「何かいい商品は無い?」=「Lookfor」
・「商品がほしい?」=「Lookfor」
・「今日は買い物がしたい?」=「Lookfor」
・「いい商品はない?」=「Lookfor」

と言うものをあらかじめ機会に登録しておき、「今日はいい商品がほしいな」と問いかけをした際に、
自動で「Lookfor」という事を機会が認識し問い合わせ内容を認識するといったプログラムになります。

※英語版のデモは下記です。

2.対話 | Dialog

会話を自動で返信するプログラムです。

例えば、「ジャケットを買いたいです」と入力があった際に、
自動でコンピュータ側から「サイズはどうしますか?」のように
返信が出来るようになります。

※英語版のデモは下記です。ピザを注文できます。

3.検索およびランク付け | Retrieve and Rank

質問に対し、予め登録してあるドキュメントを検索し、
予め学習した知識から回答候補を順序付けして応答を返すプログラムです。

例えば、
「Watsonて何?」と言う質問に対し、

1.IBMが開発したコグニティブコンピューティングシステムで・・・
2.スパイダーマンの登場人物の一人で・・・

というようにあらかじめ用意した内容を順位付けして応答するできるようになります。

※英語版のデモは下記です。

4.文書変換 | Document Conversion

文書の形式を変換するプログラムです。

入力はPDF、Word、HTML形式、出力は他のWatsonサービスでも使用可能な
HTML形式、テキスト形式、Answerユニット形式です。

※英語版のデモは下記です。

5.音声認識 | Speech to Text

音声情報から、テキスト情報へ変換するプログラムです。

※英語版のデモは下記です。

6.音声合成 | Text to Speech

テキスト情報から音声情報へ変換するプログラムです。

英語は何種類かの発音にも対応し、とてもスムーズな音声になっていますが、
日本語は女性のみかつどこかカクカクした音声となっています。

※英語版のデモは下記です。
英語で説明が記載されていますが、日本語もあります。

7.個人診断|Personality Insight

こちら、日本語版がリリースされていますが、
まだ現時点では日本語版サイトに説明が載っていないようです。

テキスト情報から、個人の嗜好などを分類します。
例えば、Twieerの呟きからその人の人間性を分析します。
デモ版でダルビッシュ選手のTwitterが有りましたので、それを例に下記にキャプチャしています。
一部視覚化する際に分かりにくいところがあるので、そちらも補足しました。

ダルビッシュ選手を選んで

DBc

結果をアウトプット

視覚化する場合は、該当箇所「View personality traits in sunburst visualization」をクリック。
DBccc

視覚化されました

結果が小さくなってしまいすみません。ご自身でも下記デモから確認されてみてください。
DB

※英語版のデモは下記です。

8.画像認識|Visual Recognition

こちらも、7番同様日本語版がリリースされていますが、
まだ現時点では日本語版サイトに説明が載っていないようです。

画像を認識するプログラムです。
あらかじめ、画像とテキスト情報を結び付けておき機会に学習させた後、
画像をアップロードすると、何の画像かを判断してくれます。

例えば、バナナというテキストと、バナナの画像を50枚結び付けておき、
その後、バナナの画像を見せると機械が「バナナ」と認識します。

※英語のデモがありましたが、準備など色々と難しいので
個人で確認してみてください!

終わりに

以上、たった8つの紹介でしたがそれだけで、今後のコンピュータの可能性を
感じるものばかりでした。それぞれは以前から存在するプログラムですが、
Watsonでは簡易かつ統合的に利用できることが強みとなっていると思います。

Watsonが気になる方は一度登録して利用してみてもいいかもしれませんね。